現場の第一線で働く床職人の視点から、6畳のフローリング張替えがどのような工程で行われ、それがどのように価格に反映されているのかを解説します。リフォーム会社の見積書に書かれている「施工費」という項目が、どのような技術の対価なのかを知ることは、適正な予算を把握する助けになります。まず、張替え工事の最初のステップは、古い床材の解体です。ただ力任せに剥がせばいいわけではありません。壁や隣接する部屋の敷居を傷つけないよう、専用のバールを用いて慎重に剥がしていきます。この解体作業には、6畳の広さで約2時間から3時間を要します。次に最も重要なのが、下地の調整です。古いフローリングを剥がすと、その下の合板が湿気で波打っていたり、釘が浮き出していたりすることがあります。プロはここでサンダーをかけて面を平らにし、必要に応じてプライマーを塗布して新しい接着剤の食いつきを良くします。この「地味な下地作り」が、後の床鳴りや板の浮きを防ぐ鍵となります。下地が整ったらいよいよフローリングの割り付けです。6畳の部屋は正確な長方形とは限りません。わずかな歪みがあるため、最初の1枚をどの角度で置くかによって、最後の壁際の収まりが決まります。板を1枚ずつカットし、サネと呼ばれる凹凸部分に専用のボンドを流し込み、フロア釘を45度の角度で打ち込んで固定していきます。この際、木材の伸縮を考慮して壁際に3ミリメートルほどの隙間を空けておくのがプロの技です。この隙間を隠すように最後に巾木を取り付けることで、見た目も美しく、機能的にも優れた床が完成します。6畳の工事で私たちが最も気を使うのは、実はこうした「細部の収まり」です。コンセント周りやドアの枠の形状に合わせて、フローリングを複雑な形に切り抜く作業には高度な熟練技術が必要となります。格安の業者の場合、こうした細部の処理を端材で埋めて誤魔化すことがありますが、それでは数年後に隙間が空いてしまいます。施工費として支払う数万円は、こうした1つ1つの丁寧な手仕事と、30年先まで安心して歩ける床の品質に対する対価です。見積もりを見る際は、単に安いかどうかではなく、どれだけ時間をかけて丁寧な工程を踏んでくれるのかを確認してほしいと思います。
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