私は3年前に築30年の中古マンションを購入し、フルリノベーションを行いました。当初は新築マンションを探していましたが、希望のエリアでは予算が合わず、偶然見つけた古い物件の立地の良さに惹かれたのがきっかけです。内覧時の部屋は、壁紙は黄ばみ、畳の和室が2間もあるという、お世辞にもおしゃれとは言えない状態でした。しかし、不動産会社の担当者からリノベーションという選択肢を提示され、自分たちで間取りを自由に作れる楽しさを知ってから、一気に夢が膨らみました。設計段階では、まず「開放感」をテーマに掲げました。細かく仕切られていた壁をすべて取り払い、キッチンを中心に据えた25畳の大きなLDKを計画しました。古い配管の場所などの制約はありましたが、建築士の方と何度も打ち合わせを重ね、段差を利用して配管を通すといった工夫を凝らしました。素材選びも徹底的にこだわり、床には裸足で歩きたくなるような無垢のオーク材を採用しました。キッチンの壁にはあえて武骨なサブウェイタイルを貼り、照明も1つ1つ自分で選んだヴィンテージ品を取り付けました。工事期間中の3か月間は、仮住まいでの生活で不便もありましたが、毎週現場に足を運び、少しずつ形になっていく我が家を見るのは至福のひとときでした。完成した部屋に初めて足を踏み入れた瞬間の感動は、一生忘れられません。新築では決して手に入らなかったであろう、自分たちのこだわりが隅々まで行き届いた空間がそこにはありました。実際に住んでみて気づいたのは、見た目の美しさだけでなく、生活動線に合わせた間取りがいかに快適かということです。朝の身支度がスムーズになり、家族が自然とリビングに集まるようになりました。リノベーション費用は当初の予算を200万円ほどオーバーしましたが、それ以上の価値があると確信しています。中古物件ならではの「安く買って、自分らしく直す」というプロセスは、家に対する愛着を格段に深めてくれました。これから検討される方には、ぜひ建物の「変えられない部分」である立地や窓の向きを重視しつつ、室内は自由に描く楽しさを味わってほしいと思います。家を単なる商品として買うのではなく、自分たちで作り上げる経験は、その後の暮らしをより豊かなものにしてくれるはずです。
中古マンションをリノベーションした私の体験記