70代の両親が住む実家のバリアフリー化を目的として、和室の畳をフローリングに変更するリフォームを行いました。この事例での最大の課題は、和室と廊下の間にあった約3センチの段差を解消することでした。高齢になると、このわずかな段差が躓きの原因となり、大怪我に繋がるリスクがあります。リフォーム費用の総額は約18万円となりましたが、その内容には床の張り替えだけでなく、段差を完全にフラットにするための下地調整と、入り口のドアを引き戸に変更する工事の一部が含まれています。費用を抑えるための工夫として、私たちは各自治体が実施している介護保険の住宅改修費支給制度を活用しました。要支援や要介護の認定を受けている場合、20万円を上限として工事費の7割から9割が補助される仕組みです。今回のケースでは、ケアマネジャーと相談しながら申請書類を作成し、実質的な自己負担額を数万円程度に抑えることができました。フローリング材については、万が一の転倒時に衝撃を吸収するクッション性の高いタイプを選びました。これは通常の木材よりも少し価格が高い1平方メートルあたり6000円程度のものでしたが、両親の安全を最優先に考えました。また、車椅子を使用することになっても傷がつきにくい耐久性の高い素材であることも選定の基準となりました。リフォーム後の実家では、両親が杖を使わずに安心して部屋を行き来できるようになり、掃除も楽になったと喜んでいます。畳の部屋だった頃は重い介護用ベッドを置くことができませんでしたが、フローリングにしたことでレイアウトの自由度が増し、将来的な介護の準備も整いました。この事例から学べるのは、畳からフローリングへの変更費用を考える際、単なる模様替えの予算としてだけでなく、将来の安心を買うための「介護予防投資」として捉えることの重要性です。補助金制度を賢く利用すれば、限られた予算でも最高水準のバリアフリー環境を実現することが可能です。親の健康寿命を延ばし、家族全員の負担を減らすためのリフォームは、金額以上の価値を私たちの暮らしにもたらしてくれました。
実家をバリアフリー化したリフォーム事例