クロスリフォームにおいて最も多くの人が失敗を経験するのが、色や柄の選択です。カタログで見たときには素敵だと思った色が、実際に壁全体に貼ってみるとイメージと違ったという事例は後を絶ちません。これには面積効果と呼ばれる視覚現象が関係しています。明るい色は大きな面積で見るとより明るく、暗い色はより暗く感じられるため、選んだサンプルよりも1段階から2段階ほど落ち着いた色を選ぶのがプロのテクニックです。色選びの基本は、床材や建具、既存の家具との調和を考えることです。部屋を広く見せたいのであれば、天井のクロスを壁よりも少し明るいトーンにするのが効果的です。これにより天井が高く感じられ、開放感が生まれます。また、最近のトレンドとして定着しているアクセントクロスも、リフォームで部屋に個性を出すための素晴らしい手法です。部屋の4面の壁のうち、1面だけを異なる色や大胆な柄に変えることで、空間に奥行きと洗練された印象を与えます。ただし、アクセントクロスを選ぶ際は、あまりに淡い色だと周囲に馴染んでしまい効果が薄くなるため、少し大胆すぎるかなと感じる程度の濃い色を選ぶのがコツです。また、リフォームの時期を検討する際は、他の内装工事とのタイミングも考慮すべきです。特にフローリングの張り替えを予定している場合は、クロスの張り替えを同時に行うのが理想的です。古いクロスを剥がすと埃が舞うため、新しい床を汚さないためにも、クロス、床の順で工事を進めるのが基本となります。照明との関係も無視できません。昼間の太陽光の下で見るときと、夜の電球色の照明の下で見るときでは、クロスの色は全く異なって見えます。そのため、必ずリフォーム予定の部屋で、朝昼晩の異なる光の下でサンプルを確認することが失敗を防ぐ最大の防御策です。リフォーム業者との打ち合わせでは、単に品番を伝えるだけでなく、どのような雰囲気にしたいかというイメージ写真を共有することで、より的確なアドバイスを得ることができます。クロスリフォームは、住まいの中で最も安価に、かつ劇的に空間を変えられる魔法のような手段です。色選びのセオリーを正しく理解し、自分の感性を信じて、理想の住まいを形にしてください。