私は大工として30年以上、数多くの和室をフローリングに変えてきましたが、お客様が一番気にされるのはやはり費用の妥当性です。単に畳を捨てて板を張るだけなら安く済みますが、それでは本当の意味での快適な洋室にはなりません。私たちが15万円から20万円という予算をいただいて工事をする際、最も力を入れているのは床下の見えない部分の補強と断熱です。畳を剥がすと、そこには荒床と呼ばれる下地の板が露出します。古い家の場合、この板が湿気で傷んでいたり、水平が狂っていたりすることがよくあります。私たちはまず、1ミリ単位で高さを調整しながら根太を流し、その間に最新の断熱材を隙間なく敷き詰めます。畳は断熱材としての役割も果たしていましたが、フローリングだけでは冬場に底冷えするため、この断熱工事は絶対に欠かせません。材料費を1万円から2万円追加するだけで、将来的な光熱費が大きく変わるのです。また、フローリングを張る際、和室の柱が露出している真壁構造の場合は、壁と床の境界線である幅木の処理に工夫が必要です。ただフローリングを突きつけるだけでは見た目が不格好になるため、柱を欠き込んだり、特殊な形状の幅木を特注したりすることもあります。こうした細かな手間が、最終的な満足度に直結します。お客様の中には、少しでも費用を安くするために材料を自分で用意される方もいますが、私たちは推奨しません。現場の状況に合わない材料だったり、配送時に傷がついていたりすることもあり、結局はプロが選んだ最適な材料を使うのが最もトラブルがなく、長持ちするからです。最近は、既存の畳の上にそのまま置くだけの簡易的なウッドカーペットも人気ですが、あれはあくまで一時的な処置であり、数年もすれば下で畳がカビたり、表面が剥がれたりしてしまいます。15万円という投資は、これから20年、30年と毎日歩き続ける床を作るための、非常に価値のある投資です。一度リフォームすれば簡単にはやり直せない場所だからこそ、私たちのような職人の技術を信じて、下地からしっかりと作り上げることをお勧めしています。丈夫な床こそが、住まいの健康を支える土台になるのですから。
大工が語る和室の床を洋風にする工夫